はじめに
2024年以降、ChatGPTをはじめとする「生成AI(Generative AI)」の利用が急速に広まり、私たちの生活や仕事のあらゆる場面で活用されるようになってきました。
本サイトでも自己学習、キャリアアップをメインにAI活用情報をご紹介しています。
本記事では、2025年時点の最新情報をもとに、AIを使用する際に知っておくべき注意・設定ポイントを
わかりやすく解説します。生成AIを「安心して活用するための実践ガイド」として、ぜひ参考にしてください。
生成AI利用における主なリスク
生成AIは非常に便利なツールですが、正しく使わなければ思わぬ情報漏洩や誤解の原因となることがあります。ここでは、代表的なリスクを3つに分けて解説します。
入力内容の「情報漏洩」リスク
生成AIに入力した内容は、設定によってはAIのモデル改善のためにOpenAI側に送信・保管されることがあります。
たとえば以下のような情報は、万が一外部に漏れると大きな問題になる可能性があります。重要情報は絶対に入力しないのが原則です。
| 情報の種類 | リスク |
|---|---|
| 個人情報(氏名・住所・電話番号など) | × |
| クレジットカード情報、銀行口座番号 | × |
| 顧客情報・社内資料・取引先情報 | × |
| APIキー、ログイン情報、パスワード、認証コードなど | × |
| 未公開の施策・内部資料 | × |
| 他人の個人情報(同僚、家族など) | × |
| 実名・具体的企業・個人メールなど | 避ける |
「誤情報(ハルシネーション)」の出力リスク
ChatGPTなどの生成AIは、文脈に沿った自然な文章を生成する一方で、事実とは異なる内容を“もっともらしく”出力してしまうことがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。
たとえば、
- 法律や医療に関する誤解を招く情報
- 存在しない統計や企業情報
- 出典が曖昧なままの知識
などを信じてしまうと、重大な判断ミスにつながるおそれがあります。AIはあくまで参考情報の一つとして扱い、最終的な確認は人間が行う必要があります。
利用履歴やカスタマイズデータの管理リスク
AIには「チャット履歴」や「カスタマイズ設定」などの機能があり、これらの情報がユーザー体験向上のために保存されていることがあります。設定を見直さないまま使用すると意図しない形でデータが保存されていることもあります。
特に共有PCや社内利用の場合は、ログの管理や設定確認を怠らないようにしましょう。
情報漏洩リスク対策「オプトアウト設定」とは?|メリット・デメリット
オプトアウトとは?
入力したテキストをOpenAIがモデル改善(学習)に使用するかどうかを選べる設定があります。これが「オプトアウト(opt-out)」機能です。
つまり、「AIを賢くするために自分のデータを使っていいですか?」という問いに、「使わないでください」と明示できる仕組みです。
この設定を行うことで、たとえば以下のようなデータがモデル学習に利用されるリスクを下げることができます。
- チャット内容
- カスタマイズ設定に関連する使用情報
- 入力プロンプトの傾向など
オプトアウト設定のメリット・デメリット
オプトアウト設定のメリット
- 個人情報・業務情報の保護
学習対象から除外されることで、万が一の情報漏洩リスクを回避 - 社内ルールやコンプライアンスに対応
特に企業・教育機関での導入時に安心感が増す - 不特定多数との情報共有を防ぐ
学習に使われた情報が将来的に他のユーザーへの出力に影響することを防げる
オプトアウト設定のデメリット(注意点)
- カスタマイズや品質改善の恩恵が一部受けられない
利用体験のパーソナライズが弱くなる可能性 - ChatGPTの場合OpenAI公式によれば無料版では一部の会話が引き続きモデル改善に使用される可能性があるとされています。履歴をオフにしても、「内部的な分析・改善」に使われることがあるため、機密性の高い情報は一切入力すべきではありません。
基本的には「オプトアウトを推奨」します
特に仕事での使用、以下のような方には、オプトアウトの設定を強くおすすめします。
・業務情報・顧客情報を扱う人(フリーランス含む)
・教育・医療・法務など高リスク分野で活用する人
・法人アカウントや共有環境で使っている人
趣味や雑談レベルの利用であれば、必須ではない場合もあります。ただし、個人情報は入力しないという原則は常に守りましょう。
オプトアウト設定方法
設定画面から機能をオフにする(ChatGPT)
- ChatGPTにログイン後、画面右上のアカウント名をクリックします。
- 「設定(Settings)」を選択します。 「データコントロール(Data Controls)」または「データ制御」を選択します。
- 「すべての人のためにモデルを改善する(Improve the model for everyone)」または「チャット履歴とトレーニング(Chat history & training)」のスライドボタンをオフにします。
その他、使用しているAIに「オプトアウト設定方法」を教えてと質問すると、設定方法を確認できます。
OpenAIのプライバシーリクエストポータルから申請を行う(ChatGPTのより確実な方法)
- OpenAIのプライバシーリクエストポータルにアクセスします。
- 「Make a Privacy Request」をクリックし、自身の状況に合った項目を選択します。
- 「Do not train on my content(私のコンテンツを学習に使用しないでください)」を選択し、メールアドレスなどを入力して申請します。 受信したメールの指示に従って手続きを完了させます。
最後に:安心して使うコツ
| やっていいこと | やってはいけないこと |
|---|---|
| 一般的な質問、アイデア相談 | 個人情報や業務機密の共有 |
| コーディングや文章のアドバイス取得 | パスワード・APIキーの貼り付け |
| 書き方のスタイル相談 | 医療・法律判断を鵜呑みにすること |
またAI情報、ルールなどは常に進化・更新されます。最新情報も合わせてチェックすることをおすすめします。
